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未知夢

第12章 好機

「あっ!!!!」


 繁は急に立ち上がった。


 一瞬だが、立ちくらみをおこした。


「おっとっと、危ねぇ。職安行かなきゃ……仕事探さなきゃ」


 また、おかしな幻覚を見るのではないかと、不安にはなったが、持ちこたえた。


 これから仕事探し。それが一番大事な事だ。


 だが、繁は最も気が付かなきゃいけないことに気が付いていなかった。


 彼のすっとぼけた性格にも、問題があるのだろう。


 だが、いい加減、そんな自分にも嫌気がさしているのはわかっていた。


 ただ、それを打破出来るだけの器量を持ち合わせてはいない。


 それでも税金とN○K受信料だけは、ちゃんと払っている。


 今までは逃げていたのだが、捕まって払わざるをえなかった。


 それでも、この男は能天気。



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