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未知夢

第12章 好機

 なんとなくだが、あれば自分が原因なんだと、わかりはじめた。


 現実に手に入った多額の現金を前に、繁はとりあえず落ち着いた。


「て、ことは、次は女か。いや、待て。まず、この金を資金に商売か事業を始めるか、少し貯金して地道に就職先を見付けるか……」


 繁は缶ビールを飲みながら、考える。


「ま、深く考えても答えはすぐ出ないってもんよ。次も見ないかな、未知夢………て、そうそう見ないよな。けど、こんな不思議なことってあるんだな……やっぱ森屋の言ってた通りだ……」


 繁は札束をまたボストンバックの中に詰めた。


「これは、誰にも渡さない! こんな大金手に入れる奇跡ってなかなか無いからな」


 札束が入ったボストンバックをしっかりと抱き締める。


「職安は明日にして、今日はご馳走だ!!」


 数分後。


 スーパーで買って来たパックの寿司と、焼き鳥をテーブルに並べた。


「まさか、こんなのが食えるなんて!! 4321円の時はどうなるかと」


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