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未知夢

第12章 好機

 繁は走るように、商店街を抜け出る。


 が、一度立ち止まり再び商店街の中に進むと、時計屋の前で止まった。


「すいません、おはようコール瑠樹亜下さい」


 その後、商店街を出た繁はルンルン顔でスキップしながらアパートに向かった。


 この時点で、繁は職安のことはどうでもよくなっていた。


 部屋に戻ると、繁はすぐにお札を数えた。すべて1万円札で、繁が使った分を合わすと1千万円あった。


「ま……マジか」


 喜びと、よくわからない感情が入り雑じり、若干おかしくなっていた。


 薄ら笑いをうかべ、グラビアアイドル瑠樹亜の顔写真がプリントされただけの、丸い目覚まし時計「おはようコール瑠樹亜」をもてあそんでいた。


「俺をやさしく起こしておくれませよぉ〜。もう、ぶん投げたりしないからねぇ……て、あれって、やっぱり俺が無意識に壁にぶつけて、破壊してるんだろうか?」


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