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未知夢

第14章 滝繁

〔そこまでわかったのか?〕


 繁の目の前に、もう一人の繁がいた。


 それは繁にしか見えない表に出た心の姿。


 胸の奥が熱くなり、目から涙が溢れ出る。


 途端に鮮明な記憶の中の恐怖がのしかかる。


「なんで殺したのか、理由がわからない……知っているなら教えてくれ」


〔教えてもいいが、自分を恨むな……〕


「あぁ……」


 繁は濡れた頬を拭った。


〔あの家でしばらく二人で飲み直してたんだ。そこに由佳里が現れた。その瞬間、お前は内心、深く妬み、嫉妬したんだ。そこに、森屋が高円寺綾の事を話し始めたんだ〕


「やつは、知っていた」


〔そう、高円寺綾が腹違いの妹だったってことを……〕


「あいつは高円寺綾との関係を説明した後、俺に言ったんだ……『親父に復讐したかったから綾を妊娠させた』と……」



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