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未知夢

第15章 隠人

 白鳥沢美智雄。


 元の自分の世界で自分が、殺したと自首してきた男。


 彼の存在がわからない。いったいいつ現れる?


 このまま、この世界の繁が殺人未遂で捕まることがあるならば、代わりに自分が行く覚悟はできている。


 おそらく、自分と何か関わってくるはずだ。


 居場所を失った繁は、ベンチの上で眠りについた。


――――
――――
………
………
‥‥
‥‥



『ビヨ〜〜ン』




 真っ暗な闇の中に繁はいた。


 体がフワフワと浮かぶ。


〔いい気持ちだ……〕


「!!」


 いま、聴こえたのは心の声だ。


「また、これか? てか、あの音はなんだ?」


 繁が見ている光景は、過去に二度見ている。


「まさか……また、未知夢!?」



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