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未知夢

第17章 終焉

 昨夜行ったスーパー銭湯では、鏡で見ても何ともなかった。


 いつの間に……やっぱり……あれは……


〔お! やっぱ白鳥沢はお前だったか。いよいよ滝繁の終焉(しゅうえん)の時だな〕


 頭の中で声が響く。


 滝繁? それは俺の名前なのか? 白鳥なんとかってなんだ?


 滝繁なんて、短い名前だ。せめてもっと漢字を使えって!!


〔名前わすれちゃったか……そうだよな〕


「ところでなんだ? なんで頭の中で声がする?」


〔俺の存在もわからないのか……。ま、ひとつ教えてやろうと思ってな。お前は時間の旅を続けてきた。て、ことは時間と時間の間も移動しているんだ。赤い石を使えばそうなるんだよ〕


「?」


〔だから、やがては俺と入れ替わる。時間のズレの空間は生身にも影響する。だから顔が腫れてくるんだ。やがては体全体ブヨブヨしてくる〕


「顔が腫れて……マシュマロマンみたいな?」


〔そこまではならない。まあ、ちょっと小太りの大阪のおばちゃんくらい〕


「それ、誰を想像すりゃいいんだよ」


〔その辺にいてるやつでよかろう〕


「失礼だよ!! そんなこと出来るか!!」


〔殺人したやつが言えるのかよ!〕



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