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未知夢

第8章 時間

 なぜか、鍵は開いていた。


『ガチャン』


 ドアを引くと、向こうから何かに引っ張られる感じがした。


「えっ!?」


 繁はドアの隙間から覗いて見た。


 なぜか、内側からチェーンがかけられている。


「え? チェーンなんてかかるのか?」と、考えたが、外からチェーンをかけた覚えはない。


 だが、これを外さないと中には入れない。


 ドアの隙間から手を入れて、カチャカチャとチェーンを外そうと試みる。


「なんで、チェーンがかかってんだ? なにがどうなってんだよ」


 チェーンはなかなかはずれない。


「なんでだよ……」と、手をドアの隙間にねじ込もうとした。


「イテテテ……、無理だ。こうなったら強引にひっちぎってやる」


 ドアのぶを両手でしっかりと握りしめ、足を壁に押しあてた。



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