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未知夢

第8章 時間

「あのおっさんは高円寺って言うのか……てか、202は俺が住んでたんじゃないの?」


「おたくは高円寺さんの知り合い?」


 そう聞かれても、自分はアカの他人である。訳がわからない。いったい何がどうなってるのかと、頭をかきむしる。


 不気味な不安感がジワジワと広がってくる。


「いや、知り合いとかじゃなくて、俺がそこに住んでたんだ……いま、追い出されてんだ」


「同居人のケンカ? 勝手に居候されたら困るで! ちゃんと申し出てくれな。うちも忙しいし、ややこしい話は後にしてちょうだい」と、言って、管理人は奥に戻って行った。


 まったく話にならない。


 繁は無言でその場を去った。


「何がどうなったんだよ……自分はどこに行けばいい?」


 自分の部屋が消えたような、初めから無かったかのような話に感じる。


 信じ難い現実と言う名の矢が胸を貫いてきた。



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