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未知夢

第8章 時間

 とりあえず……ベンチで横になろう。


「はぁ、もう疲れた。なるようになれよもう……」


 繁はやけくそになりながら、腕を枕にして、眠りについた。


 ……


 ……


『ピーーーン』


 どこからか、聞き覚えのある金属音が聞こえた。


 どのくらい時間が経ったのだろう?


 目が覚めたら……


 なぜか、ビルの屋上にいた。


「はぁっ!? なんだこれっ? さっきまで公園にいたはずだろ?」


 驚きすぎて、どんな心境でいればいいのか、どこに自分の気持ちを置けばいいのか、わからない。


 どうしようもないから、無理矢理に自分を落ち着かせた。


 屋上から町を眺めた。


 なんとなくだが、この光景には見覚えがあった。


「ここって……うちの近所のビルじゃねぇか……なんで、俺はこんな所にいるんだ?」


 まったく意味がわからない。深く考えないことにした。考えても答えなんて出る訳がないのだから。




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