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お嬢様♡レッスン

第122章 【番外編】秘書のお仕事Ⅰ

その後、橘は上司を送り届けると帰宅し、まだパーティ会場に居るであろう他の秘書達にメールで状況を報告する。

いつ如何なる時も連携は必要だ。

彼女は報告メールを送信するとメイクを落としシャワーを浴びて寛ぐ事にした。

黒崎と話せなかった事は残念ではあったが、機会はまた訪れるだろう。

それまでは自分を磨く事に専念しよう。

彼女は机に座ると1冊のテキストを開いた。

今、橘は国際秘書検定の資格を取得する為に勉強中なのである。

元々英語は得意な方だ。

それに磨きをかけて上の資格を目指す。

世界に広がるグループの本部で働く事。

それが現在の橘の目標なのだ。

その為には必要な資格だと考え、自ら勉強を始めていた。

国際秘書業務は日本のビジネスマナーだけでなく、国際的なビジネスの常識、世界情勢、文化等の幅広い知識が必要とされる。

英語だけではなく、他の外国語の勉強も独学ではあるが始めていた。

初めは黒崎の居る本部で働きたいと言う不純な動機であったが、今ではそれを抜きにしても、本部で働きたいと思っている。

仕事に意欲的になった今、本部での秘書業務はとても魅力的に感じていた。

拘束時間の長い秘書の仕事ではあるが、橘は時間を見つけては資格取得の為の勉強に勤しんでいた。

試験は毎年5月と11月に行われる。

遊んでいる暇はない。

橘は本部で自分の持てる能力をいかんなく発揮する自分を夢見て、テキストに目を落とすのだった。

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