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その頃、お邸ではお嬢様と出掛けて行った筈の執事達三人が戻って来たと聴きつけた、葛城と高月が手薬煉を引いて待っていた。

柳瀬は高月に、白河は葛城に捕まり、宗佑に報告に行っていた速水は難を免れた。

「どうして貴方達だけ戻ってきたのですか？」

高月は柳瀬に問う。

「さぁ？どうしてでしょうね」

にっこり笑って、高月の質問をのらりくらりとかわす柳瀬。

「旦那様から、執事の人数を減らす事は伺っています。お嬢様に何をしたのですか？場合に因っては、貴方達の家族を邸から追い出す権限を私は持っている事を覚えておきなさい」

「随分と焦っていらっしゃるようですね？」

「別に焦っておりませんよ」

「そうでしょうか？お嬢様の御心を取り戻そうと必死なのではないですか？」

「余計なお世話と言うものですよ」

「これは失礼致しました。お嬢様が何方にいらっしゃるのか、お知りになりたい様ですが、旦那様とのお約束で明かす事は出来ませんので、ご了承下さい。それでは、失礼致します」

柳瀬は、敬礼をすると高月の部屋を後にした。