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good-bye tear

第1章 始まりと終わり


龍の彼女はよく変わる。

苦しい中でも
『あの人は本気じゃない』そう思えてたからこそ良かった。


だから、高校生になって龍から『一緒に帰ろう』と言われた日どれだけ嬉しかったか。

例え、今までの彼女達のようなお遊びでもいいとさえ思った。


だけどあの日、高まった気分はどん底まで落とされた。




「俺、好きな奴出来た。」

その一言に。



相手は私と同じクラスの女子。
あまり目立たないけど、顔は可愛くてそれこそ守ってあげたくなるような子。


『お前にはさ、知ってて欲しかったから』

少し照れたような顔でそう言った龍。

その言葉、普段なら凄い嬉しいけど今はただの毒だよ……


――いたいいたいいたい。


心が、何かにえぐられたよう…
早く、この場から立ち去りたい…


『……そっか!!良かったね!!私…応援してるし!!龍ならダイジョーブだよ!』


そう言って言い訳してすぐ帰った私。
あれ以上あそこに居るのは無理だった。




――――――――…


思ってた通り、それから直ぐ2人は付き合いだした。

多分高校を卒業した今も続いていると思う。

あの2人関わる事が出来ないから私は龍とも距離をとったから。


叶わなかった私の恋。
告白する事も出来ず、行き場を失った沢山の思いに毎日泣いた。
それでもまだ、貴方の事が忘れられない女々しい私は大学進学と共にここから去ります。

いつか、貴方への想いを忘れて笑顔で『昔は好きだったんだよ』って言えるくらい、2人に
『おめでとう』が言えるくらい、強くなれたら…そしたらまた会いたいと思う。

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