good-bye tear
第1章 始まりと終わり
りゅうには言ってない。
あの時から離れた私達は前のように話さないから。
家が隣な訳でもないから知らない…
私が遠く行く事も、今日旅立つ事も。
皆と涙ながらお別れして、電車に乗り込む。
笑った事、泣いたこと、恋した事、沢山沢山の思い出。
本当は忘れたい事も沢山ある。
けど今の私がいるのは今までの思い出のお陰だから、全部の想いを抱えて新しい生活を送っていきたい。
この町にもりゅうにも、皆にも、もっと強くなって新しい自分になれるまで、
「……ばいばい。」
―こうして私は生まれ育ったこの町から旅立った。