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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第14章 金曜日の電話3

結局、ファンクラブで応募したチケットは落選した。

「やっぱり、さとぴにチケット送ってもらえばよかった…。」

しかし、後の祭りだ。

嵐のチケット取るのって本当に大変なんだと実感した。

イチコに、チケットが外れたことを話すと、ビールの詰め合わせが送られてきた。

一番搾り。

イ『智くんからのお歳暮だって。』

母「お歳暮って、まだ10月初めだよ。早くない?」

イ『智くん、年末に向けて忙しくなるから、今のうちに送るってきかないの。』

のし紙は、さとぴ自身が書いたという。

“御歳暮 大野”

筆ペンで書かれていた。
少し尖った勢いのある文字だった。
達筆だった。

私は、そののし紙を丁寧にはがすと、引き出しにしまった。

イチコには、年末に大野さんのご実家にもお歳暮を送るように念を押した。

ビールはお父さんとふたりでいただいた。

とてもおいしかった。

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