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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第16章 初詣

私はみんなを車に乗せると、三条通りを西に向かって走らせる。

普段は太秦や嵐山へ観光に向かう人達で渋滞するこの道も、正月はガラガラだ。

私達の車を、後ろから来た二両編成のかわいい電車が抜いていった。

智「この道、車だけじゃなく電車も走んの!?」

さとぴは目を丸くして驚いた。

母「嵐電(らんでん)は、一部の区間は路面を走るのよ。」

智「ランデン?」

母「正式には京福電鉄って言うんだけど、地元の人はみんな“嵐電”って言うわ。嵐山へ行く電車だから“らんでん”ね。」

父「嵐の電車、だな。」

智「へぇ、乗ってみてーな。」

イ「智くんが嵐電なんて乗ったら、狭い車内がパニックよ。」

智「ちぇっ。」


そんな話をしている間に、車折神社に着いた。

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