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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第16章 初詣

さとぴが私たちのところに戻ってきた。

智「待たせてごめんね、行こっか。」

さとぴが歩き出した。

父「大野く…、いや、智!」

お父さんが後ろからさとぴに抱きついた。

父「智!智!イチコを、イチコをこれからもしっかり守ってやってくれ…!」

お父さんは泣いている。
わんわん人目もはばからず泣いている。

私も涙が出てきた。

母「智さん!」

私もさとぴに抱きついて泣いた。

さとぴは困ったように眉を下げた。

智「やっと“智”ってよんでくれたぁ。ずっと“大野”だったもんな…。」

さとぴがイチコに顔を向けた。

イチコは、クスッと笑って、ひとつうなづいた。

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