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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第4章 娘の婚約者はさとぴ

母「どうぞ…。」

私は居間に通したさとぴとイチコにコーヒーと菓子鉢を出した。
コーヒーカップを持つ手がカタカタ震える。

イ「お父さん、お母さん、こちら大野智さん。」

智「はじめまして、大野智です。」

え―――っ!
自己紹介それだけ!?

イ「私、智くんと結婚したいと思ってるの。」


え―――っ!
いきなりそれぶち込むの!?

智「イチコさんと、結婚を前提にお付き合いさせていただいてます。交際を許していただきたいと思い、ご挨拶にうかがいました。」

さとぴ、男前!素敵!
いや、そんなこと言ってる場合じゃない!

父「大野くんとやら、君はイチコとどういうお付き合いなんかね。」

えっ!お父さん、嵐知らないの!?
大晦日、紅白見てたじゃん!

智「イチコさんとは仕事を通じて知り合いました。」

そうだ、お父さん、福田こうへいの出番が終わったら寝てた。

母「まぁ、よかったらお菓子でも…。」

そう言って開けた菓子鉢の蓋。

しまった!菓子鉢の中身は、焼きチョコベイクお徳用個包装!

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