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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第5章 京都見物

イ「胆子餓死了。」

さとぴは、一瞬ハッとした顔をしたあと、イチコの問いかけにうなづいた。

イ「是喜双的吃牟西什公。」

イチコは女学生に向かっても話しかけている。

「えっ?あっ…?」

女学生は、明らかに戸惑っている。

女学生の友人が、彼女の腕を引っ張った。

「似てるけど違うよ。中国人観光客だよ。」

友人は私たちに頭を下げると、まだ納得がいかない様子の女学生の腕を引いて連れて行った。

「絶対リーダーだって!誰あの女!彼女なら殺す!」

叫び続ける女学生は、そのまま友人に連れて行かれてしまった。

三人でしばらく茫然と立ちすくんだ。

母「殺すって言ってたよ、あの子。」

さとぴは、押し黙ってしまった。

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