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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第6章 守りたい

蕎麦屋に着いた。

それは老舗の蕎麦屋で、表の道から前庭を抜けると店の玄関があらわれる。

著名人もお忍びで来るような名店で、個室もある。

先に電話をしておいたので、店員に名前を告げて個室に通してもらう。

イ「私、鴨せいろにする。智くんは?」

智「イチコと同じのにする。」

私たちは、鴨せいろを3つ頼んだ。

店員が退室したのを確認して、切り出した。

母「あんなこと、よくあるの?」

さとぴとイチコが下を向く。

母「さっきの女の子、“彼女なら殺す”って言ってたよ。」

イチコがあわてて口を挟んだ。

イ「“殺す”なんて言葉のあやでさ…」

母「自分の娘が“殺す”とか言われて、黙って見ていられる訳ないじゃない。」

私はさとぴに向き直った。

母「大野さんはどう考えているんですか。」

イ「お母さん、もういいじゃない。」

智「イチコ、俺が話すよ。」

さとぴはキャップを脱ぐと、私の目を見て話し出した。

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