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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第7章 雨

蕎麦屋を出ると、雨が強くなっていた。

駐車場までダッシュで走る。

私が滑って転びかけた時、さとぴが手をつかんで助けてくれた。

智「危ねぇな…。」

ほわんと笑ってくれた。

キャップの奥からのぞく瞳は、たまらなく素敵だった。

後ろ髪が雨に濡れている。

ずっとずっと好きだった人が、私の手を握ってくれた。

雨に濡れるさとぴは、華奢だけどちゃんと男だった。

細い腕には実はしなやかな筋肉があって。

体格に似合わず大きな手で力強く引き上げてくれた。

年甲斐もなくキュンキュンした。

最高にいい男。

私もイチコも好きになるわけだ。

親子だからね。

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