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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第7章 雨

車に戻ったら、みんな濡れていた。

さとぴとイチコにタオルを渡して頭を拭く。

イ「ひどい雨ね。これからどうしようか。」

智「せっかくの京都見物なのにな。」

ハッと思いついた。

母「あんたたち、いいところに連れていってあげる。」

私は、アクセルを踏んだ。

北山通りを東へ、植物園の北門を少し過ぎる。

母「着いたよ。」

イ「ここって、陶板名画の庭…?」

そうだ。

ここは、京都府立陶板名画の庭。

数々の名画が高度な技術で陶板に再現され、展示されている。

庭、というだけあって、屋外展示の施設で、自然の空の下で名画が鑑賞できる。

施設は有名建築家の設計で、コンクリート打ちっぱなしの屋根のない建造物だ。

水路なども作られ、晴れていれば青空のもと、水のせせらぎを聞きながら名画を鑑賞できる。

そう、晴れていれば最高の場所なのだ。

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