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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第7章 雨

小一時間もすると、ふたりは帰って来た。

1本の傘が狭そうにふたり寄り添って入っていた。

さとぴは帽子を取って、ジーンズのお尻のポケットにしまっていた。

イ「もうびしょ濡れ!」

母「どうせもう濡れてたじゃない。」

もう一枚あったタオルを渡す。

智「あそこ、すげぇな。鳥獣戯画や最後の審判があった。」

母「雨の中で見るモネもおつなものでしょ?」

さとぴはイチコからタオルを受け取って頭を拭いた。

智「水中に展示されてる睡蓮が雨に揺れて…。あんなの見たことねぇよ。」

さとぴは興奮気味に語った。

イ「お母さん、ありがとう…。」

イチコが恥ずかしそうにはにかんでいた。

母「もう帰るわよ。そろそろ時間だからね。」

私は家に向かって、車を発進させた。

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