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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第9章 出会いと約束

俺がイチコと出会ったのは、美術館に伊藤若冲の展覧会を取材に行った時だった。

その時、担当してくれたのがイチコだったんだ。

スタッフが俺のことをイチコに紹介した。

ス「こちら、嵐の大野さんです。」

智「大野です。よろしくお願いします。」

イチコは名刺をくれた。

スタッフと美術館の職員さんたちの打ち合わせが終わり、取材が始まった。

イ「ではアラシノさん、こちらの作品なんですが…。」

智「アラシノ?」

スタッフと美術館の職員さんたちが凍りついた。

スタッフが飛んできて、何やらイチコに説明しだした。

アラシノ・オーノ。

イチコは嵐を知らなかったから、俺の名前を“アラシノ・オーノ”だと思ったらしい。

イタリア人とのハーフか何かだと。

俺、どう見てもイタリア人じゃねぇし。

訳がわからずキョトンとするイチコ。

顔面真っ青なスタッフと職員さんたち。

もうそれがおかしくておかしくて、腹がよじれるくらい笑ったんだ。

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