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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第11章 初めてのコンサート

さとぴが送ってくれたチケットは、11月26日の公演だった。

お父さんと私は、有給休暇を取って京セラドームに向かった。

父「今は、京セラドームって名前なんだな。」

母「そうね、昔は大阪ドームだったからね。」

父「横山ノックの帽子や言うてな。しかし、大阪なのに京セラとはややこしいな。」

母「京セラは今や世界企業なのよ。」

そんなことを話しているうちに、電車は大正駅に着いた。

駅を出るなり、たくさんの人で賑わっていた。

みんな、嵐のコンサートに行く人だ。

グッズのトートバッグに何本ものうちわを入れている女の子たち。

みんな笑顔だ。

ドームに向かって歩いていると、あちこちにボードを持って立っている女の子がいた。

『チケット譲ってください。』

すごい数の女の子が、そう書かれた紙を手に立っていた。

中には、3年間も外れている、という子もいた。

私は心が痛んだ。

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