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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第13章 結婚発表

智『これです。』

さとぴが広げたスケッチブックには…

何とも言えない前衛的な絵が描かれていた。

キュビズムの影響を受けたような、かろうじて人とわかる絵がそこにあった。

智『翔くんに描いてもらったんだ。』

さとぴはしてやったり顔で笑った。

記者たちはぽかんとしている。

記者たちを煙に巻いて会見は終了した。

この会見後、さとぴが自身の結婚生活に関してものを申すことは、二度となかった。

イチコの身の回りも、イチコの結婚相手がさとぴだと知るのは一部の上司や館長だけで、あとは皆知らなかった。

仕事も旧姓で通したので、余計な詮索をされることもなく、静かに過ぎていった。

さとぴは、約束を守った。

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