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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第14章 金曜日の電話3

あの日、京セラドームまでの道のりに立っていたたくさんの女の子たち。

チケットが買えず、誰かに譲ってもらおうとじっと立っていた女の子たち。

公式販売以外のチケットのやり取りは禁止されているのはわかっている。

しかも、実際にチケットを譲ってもらえることなんて皆無だろう。

でも、そうせずにはいられない心情は察するに余りある。

それ以外にも、チケットがないのにグッズだけでも買いたいと会場に訪れる人たち。

グッズを買うだけなのに、手作り衣装でおしゃれしてくる人たち。

そんな人たちを思うと、何の努力もせずにチケットをもらってコンサートを見るのは忍びなかった。

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