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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 それは、錠剤が入っているアルミで蓋をされた、プラスチックシート。


 それは俊輔が拾ったバッグにあった、薬だった。


「え……それ、飲んだの?」


 小梅はコクリと頷く。


「飲んだのっ? ダメだよ、なんの薬かわからないのに勝手に飲んじゃ……」



 俊輔はそれを取り上げるとアルミに書かれている、文字を読んだ。


「ロキソニン……」


 小梅が飲んだ薬「ロキソニン」は鎮痛剤だ。


 おそらくバッグの持ち主も、どこか体の痛みで悩んでいたのだろう。


「まったく、なんだかんだ驚かせる婆さんだ」


 俊輔はクタクタっと、いつもの木の下に座り込んだ。


「もう、テントは明日にするか……」


 バッグから掘ってきた山芋を出すと、そのまま小梅に渡した。


「俺、今日は食いたくねえんだ。婆さん、好きなように食べて」


 そう言って、コロンと横になった。


 小梅はただ、芋を持ってボォーッと、俊輔を見ていた。




※薬はちゃんと自分に処方されたものを、飲みましょう。



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