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サバイバルヘルパー

第8章 風呂とイノブタクッキング

 備え付けのスリッパを履くと、苦しんでいる犬の元に近寄った。


「ごめんな……痛かったなぁ。これしか思い付かなかったんだ……本当にごめん」


 俊輔は、その犬を両手で抱え込むと外に出て、草が生えているところに寝かせた。


 舌を出し、前足を痙攣させる犬を見て、俊輔は何度も謝った。


 他の野犬の姿はなかった。


 だが、イノブタの心臓とレバーは無かった。


「まあ、そうだよな」


 燻製は無事だったようだ。


 もうもうと白い煙が立つところには、さすがに野犬も近寄らなかったのだろう。


「目の前にある生肉の方が、魅力あるわな。ま、いいか……」


 俊輔は、枕を抱いて、燻製の前に座り続けた。










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