
サバイバルヘルパー
第9章 いかだ
そんなのはまったく考えにない俊輔は、適当に扉を開けた。
「ここはどうだろ?」
ゆっくりと扉を開けた。
「ん? なんか臭いぞ?」
ライターを持つ手を伸ばす。
オレンジ色の光の先に、ひっそりと佇む人影が見えた。
「うおわぁーーっ!!」
あわてて扉を閉め、走って旅館を出た。
「出た出た出た出た出たぁーーーっ!!」
無我夢中で、走り出した。
だが、ここは街灯の無い無人島。
森に入れば、闇の中。
だが、立ち止まれなかった。
止まれば、暗闇に一人ぼっち。
目と脳裏に焼き付いた、あの人影が、すぐそこにいるような気がしてくる。
足場が悪いだの、道がわからないだの、言っている場合ではない。
とにかく、小梅と一緒にいたかった。
生きている人、たとえ頼りなくとも、いるだけで心の支えになる。
闇の中を、俊輔は走る。
だいたいの勘で走り抜ける。
その勘が、みごとに冴えていた。
溝や凸凹道、木の根っこ等、すべて避けながら走っていた。
本人はなにもわかってはいなかった。
知らず知らずにいつも通っている道を、走っていたことを……。
「ここはどうだろ?」
ゆっくりと扉を開けた。
「ん? なんか臭いぞ?」
ライターを持つ手を伸ばす。
オレンジ色の光の先に、ひっそりと佇む人影が見えた。
「うおわぁーーっ!!」
あわてて扉を閉め、走って旅館を出た。
「出た出た出た出た出たぁーーーっ!!」
無我夢中で、走り出した。
だが、ここは街灯の無い無人島。
森に入れば、闇の中。
だが、立ち止まれなかった。
止まれば、暗闇に一人ぼっち。
目と脳裏に焼き付いた、あの人影が、すぐそこにいるような気がしてくる。
足場が悪いだの、道がわからないだの、言っている場合ではない。
とにかく、小梅と一緒にいたかった。
生きている人、たとえ頼りなくとも、いるだけで心の支えになる。
闇の中を、俊輔は走る。
だいたいの勘で走り抜ける。
その勘が、みごとに冴えていた。
溝や凸凹道、木の根っこ等、すべて避けながら走っていた。
本人はなにもわかってはいなかった。
知らず知らずにいつも通っている道を、走っていたことを……。
