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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 食事を終えた俊輔は、すぐにいかだの出来具合を確かめた。


 これは、模型を組み立てた後、出来ているのに、何度も見てしまう衝動と同じだ。


「後は、後ろに帆を立てたいな。そして、オールを作って完成だな」


 上に乗って、乗り心地を確かめる。


「うん、いけるかな? 後は、落ちないように縁をつけたいな。頑丈に作ったから、そう簡単にはバラけないだろう」


 オールを持つフリをして、航海のシミュレーションをしてみる。


 いま、大海原に、相羽俊輔号が出航。


 船長俊輔の後ろには、乗組員の小梅。水と食料も積んだ。


 後は、陸地に向かって、オールが水をかく。


 そんな想像をした。


 ふと、森の方に目を移す。


 いろんなことがあったと、今では懐かしく感じる。よく生きてきた。


 帰って、ラーメンが食べたい。


 残りの作業は、明日、絶対に終わらせて仕上げる。


 明日の夜は、最後のディナーだ。


 早く起きて、オールと帆を作り、縁を作る。これを終えてから、最後の晩餐の準備だ。


 俊輔は、いかだの上で眠りについた。



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