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サバイバルヘルパー

第10章 嵐と小梅

 そして、後ろにまわり、小梅を蹴り落とした。


「ひやあぁぁーっ!!」


 悲鳴を上げながら、海に落ちる小梅。


「上がれーっ!! そこなら手が届くから上がれーっ!!」


 俊輔というイカリを乗せたいかだは、風の向くまま、岩場を離れて進んで行った。


 小梅はもがきながらも、岩場に足がついたのか、足が悪いのも忘れて、陸に登った。


 ゴツゴツとした凹凸や、貝殻、フジツボのある岩の上を、痛みを忘れて四つん這いに這い上がる。


 何度も風圧でよろめきながら、船着き場まで着いた。


 いかだはもうはるか遠く、小さくなっていく。


 小梅は雷にも負けないくらいの声で、泣き出した。


 何度も何度も、ごめんなさいと謝った。


 自分が悪かった。弱い自分が悪かった。


 地面にうつぶせ、両手を合わせながら、自分の愚かさに懺悔した。


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