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サバイバルヘルパー

第11章 俊輔

 俺は相羽俊輔。22歳。


 あの夜……いや、夜中と言った方が正確かもしれない。


 突然の嵐に戸惑って、どの場所にいて、どうこの身を守ろうかと、必死だった。


 だが、せっかく作ったいかだが流されそうになり、俺はあわてて、いかだを回収しに荒れた海に身を投じた。


 おそらくあれは、台風だったのだろう。ただの強い豪雨だけじゃなかった。


 そう言えば前日には、少し風を感じてた。あまり気にしてなかったけど、あれが前兆だったんだ。


 今は、嘘みたいに静かだ。空はまだ雲は残ってはいるが、風も穏やかになり、雨も細かいモノは降っているが、軽く肌に触れてるなって程度。


 今は……また島にいる。


 どこの島だ?


 あの時、いかだにまた飛びうつり、モタモタしている小梅を蹴り落としたのは、正直イラついたからだ。


 こっちはうでが限界だった。左腕には赤く太いスジがびっしり残っている。


 いい加減に早く降りろという、イライラ絶好調の蹴りだ。


 たぶん、生きてるだろう。


 それだけが、今、心配だ。


 疲れたなぁ……。



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