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サバイバルヘルパー

第13章 新事実

 久美子に導かれるまま、俊輔はただ後ろを歩くだけだ。


 まだ、なにがどうなっているのか、まったく理解出来ない。


 小梅、いや、もう小梅と呼ぶのは間違いだ。小幸だ。


 小幸の正体も気になる。


 頭の中で、この婆さんは小梅じゃないと、何度も繰り返した。


 森の中に入ることなく、ただ、まっすぐ海沿いの浜を歩いている。


 やがて、俊輔が男性と出会った場所にきた。


「ここだ。ここで、俺は中年の男性を見たんだ」


「俊輔さん、さっきも言いましたが、ここには男性は住んでいません。唯一の男性はあなただけですよ」


 久美子は言った。


「いや……間違いない。確かに……」


 その姿は、目に焼き付いている。見間違いなんかじゃない。


 小幸はなにも言わない。ただ、目がとろんとしているだけだ。


 そこを少し過ぎた所で、森の中に入った。


「あれ……ここって……」


「ここです。私達の家」


 着いたのは、俊輔が裏庭に入って、井戸の水をご馳走になった、あの小綺麗な家だった。


 俊輔は思い出した。窓から見えた衣類は、小幸が着用していたものだ。




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