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サバイバルヘルパー

第14章 帰ろう

 翌朝、俊輔は浜にいた。


 服は洗濯してもらい、少し石鹸の香りが残る。


 風呂にも入り、髪も体もスッキリだ。


 髭は剃れなかった。すっかり伸びて、手で何度もさわってしまうほど、慣れない感触がある。


 次に物資の船が来るのが、2日後。


 俊輔はそれに乗って、本土に渡る。


 夏の日差しは、まだまだ緩む気配はない。


 様々なことが頭に流れる。


 どれもこれも、今となっては貴重な体験となった。


 そして同時に、いい思い出となった。


 今までの自分を見つめ直す、いいきっかけになった。


 今では、物があることは当たり前になっている。


 便利な世の中になってきている。


 それがなければ、生きていくために、なにも始まらない世界になっている。


 ここで生きることは、0からのスタートだった。


 ガスも電気も無ければ、水道もない。


 なにもできないじゃないか。


 でも、俊輔は生きてきた。自然の知識も野外活動の知識もなにもない男が、ただ、生きること、帰ることだけを目指して、肉体と知識を作り上げてやってきた。



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