
サバイバルヘルパー
第14章 帰ろう
「人間は、いろんな新しいものを作って進化し続けているけど、逆に退化していってんだな……なにもない自然の中では、なにも出来ない。俺は、本当に運がよかっただけだ」
森を眺め、人間社会での自分と、今の自分を比べて見ていた。
自分でも、少し、なにかが強くなったんじゃないか?
そんな気がしていた。
俊輔は山の中に入った。
まず、仏像があった場所に向かった。
それは、石に彫られた祠と仏像。よく見ると、両方直接、同じ石に彫ってある。
ここで亡くなった小梅とその娘の魂が、安らかに眠れるように、心をこめて、久美子が手で彫ったものだ。
「すごいな……よくよく見ると雑なんだけど、久美子さんの気持ちが強くこもってるのがわかる」
ここから見える海で、以前、俊輔は船を見つけた。ただ、その船は、島に……いや、二人に物資を届けるための船だった。
俊輔はしゃがんで、仏像に手を合わせる。
「あなたが、小梅さんだったんだね。ひょっとしたら、自分の存在を、僕に教えてくれてたんじゃないんですか? 娘さんもいたんだよね……怖かっただろうなぁ……」
リゾート計画のため、妻子を捨て、愛人を選んだ島の長。
これも、進化する中で、心が退化していった結果、起こった悲劇だろう。
森を眺め、人間社会での自分と、今の自分を比べて見ていた。
自分でも、少し、なにかが強くなったんじゃないか?
そんな気がしていた。
俊輔は山の中に入った。
まず、仏像があった場所に向かった。
それは、石に彫られた祠と仏像。よく見ると、両方直接、同じ石に彫ってある。
ここで亡くなった小梅とその娘の魂が、安らかに眠れるように、心をこめて、久美子が手で彫ったものだ。
「すごいな……よくよく見ると雑なんだけど、久美子さんの気持ちが強くこもってるのがわかる」
ここから見える海で、以前、俊輔は船を見つけた。ただ、その船は、島に……いや、二人に物資を届けるための船だった。
俊輔はしゃがんで、仏像に手を合わせる。
「あなたが、小梅さんだったんだね。ひょっとしたら、自分の存在を、僕に教えてくれてたんじゃないんですか? 娘さんもいたんだよね……怖かっただろうなぁ……」
リゾート計画のため、妻子を捨て、愛人を選んだ島の長。
これも、進化する中で、心が退化していった結果、起こった悲劇だろう。
