テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第3章 探検

 だが、道はあった。まあまあな広さの道だ。


 トイレの真裏には、金属製の丸い板があった。


 おそらく、あれを開けて汲み取るのだろう。


「もし、俺がこの道から来てたら、なんの迷いもなく、あのフタを開けてるな」


 多少なりとも、悪臭は漏れているだろう。


 頭痛がしてきた。


 早く、ここから立ち去ろう。


 先に進むと、いくつか枝分かれしている道がある。


 だが、俊輔は岩山が見える方向に進む。


 道が合っているのかどうかは、わからない。


 行き当たりばったりの成り行き勝負。


 同じ幅の道を選んで行けば、ほぼ間違いはないだろう。


 徐々に登り坂になり、枝や落ち葉がかかる土道も、やがては砂利道になる。


 自分の身長をはるかにこえる木は少なくなり、胸までくるくらいの低い木が目立ってくる。


 後ろに振り返る。


 島半分ほどの位置の、海が見渡せる。


 はるか、むこう先には、大陸のようなものが見える。


「あそこに行けば、助かるかもしれないな」


 昨日、今日と、ここは別世界のように感じていた。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ