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あたしのこと 

第1章 はじまり ~誕生から幼少期~

プールサイドの人魚たち。

スイミングスクールにゎよく通った。

はじめの頃ゎ嬉しくて嬉しくて。

中学生くらいのお姉さんたちもいて、
みんな上手だし、とてもキレイ。

まるで人魚だった。

あたしも、あんな風に上手く泳げるようになるんだろか?


何ヵ月か過ぎ、記録会みたいなのがあって、


あたしゎまだ全然上手く泳げなくて…

同じ頃に始めた子たちゎ、スイスイ泳いでるのに…


あたしの番が来た。

対岸でゎ、みんなが『がんばれーがんばれー』と手を振っている。


バシャン。

あたしゎ一生懸命泳いだ。

一生懸命、手を、足を動かすけど、ちっとも前に進まない。

一緒にスタートした子たちとも みるみる差が開く。


それでも一生懸命、水をかく。


まだ半分。

ゴールした子もいる。


あたしゎ悔しくて 情けなくて

涙が出て来た。


泳いでるのゎあたしだけになった。

体ゎ重いし、力も入らない。


それでも、最期まで 泳いだ。

やっとゴール。

顔を上げると みんな拍手してくれた

「がんばったねー」

中学生のお姉さんたちも笑顔で迎えてくれた。


少しだけ。

あたしも人魚になれた気がした。
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