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あたしのこと 

第1章 はじまり ~誕生から幼少期~

大きな手。

小さい時の記憶。

まだ小さなあたしを恐々と洗ってくれた
大きな手。

保育園にお迎えに来てくれた
大きな手。


顔ゎ覚えてないけど 笑ってた。


あたしの 父の記憶ゎこれだけ。


保育園でクリスマス会をするので

みんなでサンタさんを描いた。


みんなが描いたサンタゎお父さんサンタ

あたしゎお母さんを描いた。


『サンタがお母さんなんて可笑しい』って
みんなに笑われた。

家に帰って 
「なんでみんなにゎお父さんがいるのに、あたしにゎお父さんが居ないの?」
って母に聞いた。

母ゎ悲しそうな顔で
「ごめんね ごめんね」と言った。

それからゎ父の事ゎ聞かないようにした。


七夕祭りの短冊に 
『あたしの家にもお父さんが来てくれますように』
と書いたけど、母が見るとまた悲しむと思って

あたしのリュックに隠しておいた。

七夕飾りにゎ『お人形がほしい』と書いた。


次の日曜日に真新しいお人形が枕元にあった。


お父さんの短冊を飾れば良かったとホントに後悔した。



母とゎ仲良かったし、お婆ちゃんもいたから
寂しくなんかなかった。


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