無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

混乱したままの私に

「まだ残ってます？」

クスクスと笑いながら、鎖骨の少し上の部分をトンと押された。

そこが何を意味してるのか。

すぐに理解できて、倉田くんの指を払いのけた。

「止めてよ」

「結構、はっきり付いてたのにな」

「だから、止めてって言ってるでしょ!?」

ちょっとキツく言うと、倉田くんは

「そんな怒らなくても」

と、肩をすくめてみせた。

悪びれないその態度が癪に障る。

「誰にでも…こんな事するの？」

「誰でもじゃないですよ？」

「え」

その言葉に、とくんと心臓が鳴った。

「男にはしませんから」

……あ、そうですか。

倉田くんにとっては、大した事じゃないって事ですか!?

「何でそんな事聞くんです？まさか、妬いてるんですか？」

「何でよ!?」

「何だ。違うんですか？」

「違います!!」

全く…。

不覚にも、ときめいてしまった。

だけど、倉田くんの度合いが過ぎていて、私が思う処より踏み込んでくるだけで…

結局、からかわれてるだけだ。