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sugar-holic

第13章 期待してた?

ズボンのベルトを留め直した 倉田くんと目が合った。

「…覚えてるんだ」

「記憶力いいの。私」

でも、そんな私に倉田くんは、片方の口元を歪めて笑った。

「そうですね…」

ソファーのひじ掛け部分に座り、足を組んだ。

そんなポーズが妙に決まっていて…それがやけに苛立つ。

「どうしてか、考えてみて下さい」

「は…?」

「記憶力のいい方なら、俺が何を言ったか覚えてますよね?」

そう言って、にやっと笑う。

…この人は…っ!!

「じゃあ、帰ります?送りますよ」

考えてもない言葉を告げられて、目を見開いて倉田くんを凝視した。

「もう襲いませんから安心して下さい」

「そんなの…!!」

前科のある人が、何を言ってんの!?

「大丈夫。一人で帰れるから」

「でもこんな時間だし、一応女なんですから。駅まで送りますよ」

「…ありがとう」

一応、ね。一応、女だから。

気を使ってなのか、元々フェミニストなのか…

一つため息をついた。

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