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sugar-holic

第16章 まさか…

「知らないよ?」

亮くんが笑って、新しく作ってくれた。

「倉田くんとはいつの同級生なの?」

「同じ学区内だったんで、中学まで。高校は別のとこに」

「どんな人でした?」

私が聞くと、浅野さんが怪訝な顔をして

「梢さん、気になるんだ」

「まぁ…部下のことですから」

すると亮くんが、出来上がったカクテルを私の前に置いて

「俺、分かっちゃいました」

え?と見返したら

「さっきの話の人」

そう言って、私の顔を覗き込んだ。

「梢ちゃん、分かりやすい」

「亮くん!?」

慌ててカウンターに手をついて、立ち上がる…はずが

「…あれ?」

腕に力が入らない。

立ち上がるために、どこに力を入れたらいいのか分からなくなった。

「え?梢さん?どうかした!?」

私の様子がおかしいのに気付いて、浅野さんが慌ててる。

その目の前で

「…だから、強いカクテルだよって言ったのに」

亮くんが困ったように呟いた。

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