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sugar-holic

第22章 契約して下さい

久々の本社出勤で気を使い。

初めて会う人との親睦会では…話が変な方向に向かった。

これと言うのも、強司に会ったからだ!

偶然、あんな場所で会うなんて…想像もしなかった。

そして…あんな話になるなんて。

『電話くらい掛けさせてくれ』

強司の声が、耳に残ってる。

右手に持った携帯を握りしめた。

強司…また掛けてくるかな…?

着信拒否のリストから外しておいた方がいいんだろうか…?

ため息をついて、ジャケットのポケットに携帯を落とした。

もう少し。

今はまだ…声を聞くのが恐い。

「電話かけないんですか?」

「うん…」

「聞きたいこと、あるんでしょう?」

聞きたいこと?強司に?

「……台所が…」

「台所!?」

倉田くんに聞き返され、はっと我に返った。

あ、そうだった。

ここはタクシーの中だった!

親睦会が終わって、倉田くんとタクシーに乗って、宿泊先のホテルに向かってる途中で。

少しだけ酔っているせいもあってか、つい自分の世界に入り込んでしまった。

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