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sugar-holic

第22章 契約して下さい

私の前に立つと、私の飲みかけの缶ビールを手に取り

「はい。ビール持って」

そう言って、無理矢理押し付けてきた。

「え?承知した訳じゃないんだけど!」

私の抗議も無視されて

「乾杯」

そう音頭を取ると、ガコンと鈍い音を立てて、缶ビールを打ち鳴らした。

「あぁっ!!」

勢いよく当てられて、飲み口から泡が噴き出す!

慌てる私を尻目に、残ったビールを一気飲みすると、天井を向いて大きく息を吐いている。

そんな彼を横目で見ながら、ティッシュで手元を拭いつつ、理解できない頭をフル回転させた。

えーっと…これって…どういう事?

考えても何も答えが出てこない。

飲み干した缶ビールをサイドボードに並べて置くと、私に視線を落とし

「じゃあ、俺、寝ます」

え!?このタイミングで!?

「はぁ、おやすみなさい…?」

他にかける言葉が見当たらない。

倉田くんはしっかりした足取りで部屋を出て行った。

え!?大丈夫なの!?

急いで部屋のドアを開けて廊下を見渡すと、隣の部屋のドアが閉まる所だった。

良かった。ちゃんと鍵も自分で開けられたんだ。

多分この時、私も酔っていたんだと思う。

だから、倉田くんが酔ってなかったんじゃないかなんて、少しも思わなかったんだ…。

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