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sugar-holic

第24章 最後に《倉田side》

缶切り不要の缶詰のプルトップを引いて、蓋を開ける。

甘ったるそうなシロップの中で、黄色い桃が浮いていた。

こんなもん食うの、いつ以来だよ。

知らずに浮かんでいた笑いを、ため息で追いやった。

一口齧って

「…甘っ!」

想像通りの味なのに。

思っていたよりも、何だかやけに甘くて。

「さすがはシュガーホリックが選ぶ食い物だよな」

苦笑いを浮かべつつ、毒づいてみる。

だけど。

甘くて冷たい桃が、のどを通って落ちていく。

その感触が、妙に気持ちいい。

「何だよ…くそっ!!」

自分の中に沸き上がった感情に苛立った。

あり得ないって、思ってたはずだろ!?

大きく息を吐き、それを追いやると、携帯を手にメールを打った。

送信をタッチしてメールを送ると、目を閉じて天井を仰いだ。

こんなの…体が本調子じゃないからだ。

くそっ!!意地でも治してやる!!

携帯をベッドに放り投げると、冷蔵庫の中の栄養ドリンクを一気に飲み干した。

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