テキストサイズ

sugar-holic

第25章 約束って、何?

「宇佐見!!」

比呂子さんが宇佐見さんの後頭部をぺちんと叩き、バランスを崩した宇佐見さんはソファーの背もたれに額を打ち付けた。

「いったぁ…」

「自業自得。女の寝姿覗いてんじゃないの!!」

え!?覗き!?

思わず身構えてしまうと

「寝てる姿って、その人の本質が出るからいいよね。どんなに威張ってる人でも、寝顔は子供みたいで可愛い」

邪気のない笑顔で言われて、力が抜けた。

「そう思わない?」

同意を求められても。

「はぁ…」

とりあえず愛想笑いを浮かべると

「ごめんね。起こしちゃったんじゃない?」

比呂子さんが気遣ってくれた。

「ううん。もう起きる頃でしょ?」

タオルケットを畳んでソファーの端に置くと、立ち上がって髪の毛を直す。

あ、良かった。あんまり広がってないみたい。

でも鏡見たいな…。

すると、宇佐見さんがクスクス笑って

「そんな気取らなくても、本質見たから大丈夫だよ~」

おどけた口調で話してきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ