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sugar-holic

第25章 約束って、何?

ははっと笑う宇佐見さんを見て、比呂子さんは腕を組んだ。

「だったら住まない部屋に家賃払うなんて無駄なことするなって言ったの」

「で、一緒に住もうって?」

それって同棲でしょ?

そんな、人を睨んでまで否定する事じゃないんじゃない?

「違う。荷物だけ預かる代わりに、スペース分の家賃を貰ってんの」

「ほら、俺、ほとんど家にいないし」

「はぁ…」

じゃあ、大学に寝泊まりしてるって事?

確かに家賃無駄にしてるって言うのは分かるけど…

比呂子さん、いさぎ良いなぁ。

「お陰で研究に没頭してます」

「拝むのはやめなさい!」

「所で、何の研究をしてるんですか?」

私の問いかけに、二人の動きがピタッと止まった。

え?何?

「梢ちゃん。それ聞かない方がいい」

「え?」

「気になる!?聞いてくれますか!?」

うんざりした比呂子さんと、笑みを浮かべた宇佐見さんの様子に、多少後悔したものの

「あ…気になるって言えば…まぁ…」

そうおそるおそる返すと、宇佐見さんはガッツポーズをしてみせた。

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