sugar-holic
第29章 思い出の味
親子丼を食べ終えて。
作り方のポイントをメモ書きして差し出すと、途端に満面の笑みを浮かべた。
「ありがとな」
「はいはい」
「んじゃあ、俺、帰るわ」
目的達成、だもんね。
「作ってあげられそう?」
「そうだな。酒とみりんとだし醤油の比率書いてくれてるし、大丈夫だと思う」
料理ってそれだけじゃないけどね。
帰り支度をして玄関に向かった強司を、苦笑いを浮かべて見送った。
すると、強司が私を振り返り、両手を広げた。
「何?」
「最後だから」
そう言って、強司が私を抱き込んだ。
久し振りの強司の腕の中。
懐かしい、とか、ときめく、とか…
もう少しあるかと思ってたのに。
「ふざけないで」
冷静な自分の口調に、私自身驚いてしまった。
頭の上で強司の笑い声がして
「好きな男に悪い?」
そう言いながら、抱き締める力が強くなる。
左の首もとに強司の吐息を感じた。
「ちょっと…!」
押し返そうとした時。
ピンポーン!!
ドアチャイムが鳴り響いた。
作り方のポイントをメモ書きして差し出すと、途端に満面の笑みを浮かべた。
「ありがとな」
「はいはい」
「んじゃあ、俺、帰るわ」
目的達成、だもんね。
「作ってあげられそう?」
「そうだな。酒とみりんとだし醤油の比率書いてくれてるし、大丈夫だと思う」
料理ってそれだけじゃないけどね。
帰り支度をして玄関に向かった強司を、苦笑いを浮かべて見送った。
すると、強司が私を振り返り、両手を広げた。
「何?」
「最後だから」
そう言って、強司が私を抱き込んだ。
久し振りの強司の腕の中。
懐かしい、とか、ときめく、とか…
もう少しあるかと思ってたのに。
「ふざけないで」
冷静な自分の口調に、私自身驚いてしまった。
頭の上で強司の笑い声がして
「好きな男に悪い?」
そう言いながら、抱き締める力が強くなる。
左の首もとに強司の吐息を感じた。
「ちょっと…!」
押し返そうとした時。
ピンポーン!!
ドアチャイムが鳴り響いた。