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sugar-holic

第30章 鈍いにも程がある《倉田side》

「えっと…とりあえず、入って?」

こんな時間に、男を部屋に上げるんだ。

「いいんですか?」

「せっかく来たんだから、お茶ぐらい出させてよ」

そう言って、自分はさっさと部屋に入るのな。

こうなると断りづらいじゃないか。

全く…鈍いにも程があるだろ!?

小さくため息をつくと、ドアを開いて部屋に上がった。

途端に、ふわりと煮物のような、旨そうな匂いが漂っているのに気付き…

無意識に台所を見て、思わず足が止まった。

「料理…しました?」

「あ…うん。強司が親子丼食べたいって言うから…」

たった一言、そう言っただけで?

材料から調理器具まで、全部買ってきたのか?

「あ、倉田くん、夕御飯食べた?」

「え?」

「材料残ってるから、よかったら食べてく?」

そう言って台所に向かったので、苦笑いを浮かべた。

俺は残り物を食べさせられる訳か!?

「いえ、大丈夫です」

「え?お腹すいてないの?」

振り向いた際に、髪がなびいて…

左側のうなじと肩の間。

それを見た瞬間、プチンと何かが弾けた!!

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