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sugar-holic

第32章 分からせてやるから

不意に

「なぁ、気付いてる?」

倉田くんに訊かれ、

「…え?」

固く閉じていた目を開けて倉田くんを見ると、目を細くして笑いを浮かべていた。

その右手には、長い紐のような…

「ネクタイ、外れてんの」

ネクタイ…。

私の手を縛っていたネクタイ…?

柵を握りしめていた手を開いて動かすと…

あ…動く。

握りしめていた指先がジンジンする。

手を胸元に寄せると、手首がかすかに痛んだ。

思わず顔をしかめると、

「痛い?」

そう言って、倉田くんはネクタイを持った手を開いた。

シュルンと音を立てて、私の顔の横にネクタイが落ちてきて…

「もう止めますか?」

…え?

「抵抗しないの?」

ネクタイが外れて、自由に動けるから。

嫌ならちゃんと嫌がれって事?

私に拒否権があるような言い方をしてるよね。

だけと、私の中に挿入ったまんま、探るような瞳でそんな事訊かないでよ。

ゆっくりと腕を上げると、倉田くんの腕に手を置いた。

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