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sugar-holic

第32章 分からせてやるから

「…何で逃げないの?」

冷たい声音。

なのに私を真っ直ぐに見つめる目は熱くて。

その視線の強さに射られてしまう。

どくん、どくんと、心臓が早鐘を打って…

返事の代わりに、倉田くんの腕を引いた。

そのまま私に近付かせると、倉田くんの胸に額をくっつけて息を吐いた。

こうしてるの…嫌じゃない。

もっとして欲しい。

そう思うのは、やっぱり…

浅い呼吸を繰り返していると、倉田くんの顔は見えないけど…少し、笑った気がする。

「じゃあ、今日は加減しませんから」

は…?

「今まで…手加減、してた…の!?」

恐る恐る倉田くんを見れば…

「当たり前でしょ?」

そう言って、ニタリと笑った。

その笑みに、ぞくっと悪寒が走る。

「え…と!やっぱりちょっと…」

倉田くんを押し返すと、その手を取られて、手首にキスを落とされた。

「痕、残っちゃいますね」

ネクタイで縛った部分が赤く腫れていて。

そこを執拗に唇で辿り始めた。

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